復帰の日が、カレンダーの中でどんどん近づいてくる。そのマスを見るたびに、なんだか胸がザワザワしませんか?「私、ちゃんと働けるのかな」「浦島太郎みたいになってたらどうしよう」って。
育休明けが近い看護師さん、あるいは育休中で「復帰しようか、延長しようか、いっそ辞めようか」と迷っているあなたへ。この記事は「両立のコツ」を教える記事ではありません。迷っているその気持ちごと、当事者としての本音と、迎える側(元管理職)の本音の両方から、正直に整理していく記事です。読み終わるころには、答えを急がなくていいんだと分かって、自分のペースで選べるようになっているはずです。
結論:迷っていい。決めるのは、あなたです
先に結論をお伝えします。育休明けに「仕事についていけないかも」「本当に両立できるのかな」と迷う気持ちは、ほぼ全員が通る道です。あなたの能力が落ちたわけでも、ダメになったわけでもありません。
そしてもう一つ。復帰する、延長する、辞める——どれが正解ということはありません。現場のリアルな声も、迎える側の本音も知ったうえで、あなたが自分で選んでいい。この記事は、その判断材料を正直にお渡しするためのものです。
私も”浦島太郎”だった|1年でこんなに変わるの!?

正直に言うと、私自身、復帰のたびに毎回「浦島太郎」になっていました(笑)。
子どもが1歳になるまでの1年間って、現場の状況やルールが本当によく変わるんです。電子カルテのシステムが新しくなっていたり、記録の仕方が変わっていたり、看護体制そのものが違っていたり。ほんの1年、現場を離れただけなのに「え、こんなに変わったの!?」の連続でした。
システムが新しくなっても、業務量は減らない
ここが地味にキツいところ。システムが新しくなると「楽になるのかな?」と期待しますよね。でも現実は、慣れるまでむしろ手が止まるし、業務量そのものが減るわけじゃない。だから私は最初から「残業は必ずある前提」で考えていました。
お迎え・家事・残務処理の”三重苦”
一番不安だったのは、時間の回し方でした。保育園のお迎えに間に合うか、帰ってからの家事、そして終わらなかった残務をどうするか。この三重苦をどう回すか、復帰前は本当に頭を悩ませました。
だから、もしあなたが今「ついていけるかな」と不安なら、それはごく自然な感覚です。技術のブランクそのものが心配な方は、看護師の復帰が怖いと感じる方への記事もあわせて読んでみてくださいね。

実はね、「復帰こわいな…」って感じてるの、あなただけじゃないんです。看護師さん125人に聞いたある調査(レバレジーズ「看護のお仕事」・2018年)では、出産・育児でお休み中の看護師さんのなんと92.2%が「復職に不安がある」って答えてるんですよ。しかも一番多い不安が「ブランクがあって手技や知識についていけるかな…」で約4割。そう、みんな同じところでドキドキしてるんです。
【本音】早期復帰を勧められることもある|迎える側の実態
ここからは、管理職として”迎える側”にいたときの本音です。ちょっとリアルな話になりますが、知っておくと心構えができると思うので、正直に書きますね。
まず、育休中も何度か面接(面談)の機会があります。私は本人に早期復帰を強要したことは一度もありません。でも、面談での本人の反応を見て「この人、早く復帰したいのかもしれないな」と感じたときは、上司の立場から早期復帰を勧めることはありました。もちろん、無理強いはできません。
勧められやすいのは、こんなタイプの人です。
- 「子どもとずっと一緒にいるのが正直しんどい。働いている方が気が楽」と感じている人
- すでにお子さんが何人かいて、両立の実践経験があり、少しでも収入を増やしたい人
もしあなたが「勧められたけど、まだ心の準備ができていない」なら、断って大丈夫です。反応を見て打診しているだけなので、あなたの気持ちが最優先。ここは遠慮しないでくださいね。
【本音】「辞めたい」と言われたときの、正直な気持ち
もう一つ、迎える側の本音も書いておきますね。読んで身構えさせたいわけじゃなくて、「先に知っておくと楽だよ」という気持ちでお伝えします。
スタッフから「辞めたい」と言われたら、引き止めることはできません。それはわかっています。それでも正直に言うと、「復帰を期待して、今までみんなで頑張っていたのにな」と、残念な気持ちになることがありました。人手が足りない中で育休をカバーし合ってきた分、余計にそう感じてしまうんですよね。
とはいえ、それはあくまで職場側の事情。あなたが申し訳なさを感じすぎる必要はありません。あなたには、自分の人生を選ぶ権利があります。誰かの都合や雰囲気のために、あなたの選択を曲げる必要はありません。うしろめたさを感じる必要も、本当はないんです。
「辞めたいけど、なかなか言い出せない」と足踏みしている方は、辞めたいのに辞められない看護師さんへの記事も参考にしてみてください。

両立できている人の共通点|”声のかけ合い”がカギ

ここまで本音多めでしたが、安心してください。ちゃんと両立できている人はたくさんいます。そういう人たちや、そういうチームには共通点があるんです。
- 声をかけ合う:残業になりそうなとき「これ引き継ぐよ」と自然に言い合える
- 仕事の分配を工夫する:午前は入院・処置対応、午後は記録に専念、と時間で役割を分ける
- 夜勤に配慮する:免除、または回数を少なめにする
- 周囲への気配りを忘れない:支えてくれる人への感謝を言葉と態度で示す
ここで正直に触れておきたいのが時短や夜勤免除は、誰かがその分をカバーしてくれているから成り立っています。子育て経験のあるスタッフは、何も言わなくても理解してくれることが多い。でも、独身の人や若いスタッフには、しわ寄せがいきやすいのも事実です。
だからこそ、その人たちの気持ちも尊重して、気配りを忘れないこと。「ありがとう」「助かった」を言葉にするだけで、チームの空気は本当に変わります。両立は、一人で頑張るものじゃなくて、チームで回すもの。ここが一番のカギだと思っています。両立の悩み全般については、子育て看護師の悩みTOP3もどうぞ。

そしてもう一つ、職場だけじゃなく「家庭側」の工夫も両立のカギになります。私自身が復帰後に実践していた時短家事のやり方は、看護師が実践する時短家事攻略方法3選にまとめているので、よければのぞいてみてくださいね。

育休延長か、復帰か|決める前に考えてほしいこと

最後に、迷っているあなたへ。辛口だけど、優しい気持ちでのアドバイスです。
まず、お子さんが病気がちだったり、障害があったり、健康上の理由がある場合。これは無理をしないでください。退職も、立派な選択肢の一つです。守るべき優先順位は、はっきりしていますから。
そうでない場合は、育休延長に本当に意味があるか、一度立ち止まって考えてみてほしいんです。
- 延長のメリット:子どもが小さい時期は、二度と戻らない貴重な時間。今しかない親子の時間を、たっぷり過ごせます。
- 延長のデメリット:一方で、ずっと親子二人きりだと、子どもが友達や社会と触れ合う機会が限られてしまうことも。ママ自身も社会とのつながりが少しずつ閉じていき、復帰への壁がどんどん高くなってしまいます。
どちらが「正解」ということはありません。今のあなたと、お子さんにとって何が大事か。それを考える材料にしてもらえたら嬉しいです。
大切なのは、メリットとデメリットを自分で並べて、自分で答えを出すこと。これは以前お話しした「長期目線で働き方を考える」という視点にもつながります。今すぐ結論を出さなくても、選択肢を知っておくだけで気持ちはずっと楽になりますよ。働き方そのものを変えるという手もあります。

まとめ|あなたが選んでいい
今日の内容を、表でサッと振り返っておきますね。
| 迷いポイント | 考え方のヒント |
|---|---|
| 仕事についていけるか不安 | 浦島太郎はみんな通る道。焦らず慣れればOK |
| 残業と家事が回るか不安 | チームの声掛け+時短家電、宅食サービスの活用 |
| 早期復帰を勧められた | 反応を見た打診。心の準備がなければ断ってOK |
| 辞めたい | 申し訳なさは感じすぎなくていい。選ぶ権利はあなたに |
| 延長か復帰か | 健康上の理由なら退職も。そうでなければ長期目線で |
育休明けに「仕事ができない」と焦るのは、あなたが真剣に向き合っている証拠です。決して、あなたのせいじゃない。職場にも自分にも、無理をしないための工夫の余地はちゃんとあります。
そして続けるのも、延長するのも、辞めるのもそれを選ぶ権利は、あなた自身にあります。まずは焦らず、自分の気持ちと選択肢を並べてみましょう。
「まだ決めてないけど、情報だけ集めておきたい」という方は、転職サイトのリアルな評判をのぞいてみるのもおすすめです。登録しなくても、選択肢を知っておくだけで気持ちに余裕ができますよ。

出典
・レバレジーズ株式会社「看護師の復職に関する意識調査」(2018年、女性看護師125名対象)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000196.000010591.html
