看護師の復帰が怖い…ブランクから戻れた私の本音と職場選び

看護系
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求人サイトを開いては、そっと閉じる。そんな夜を、何度くり返してきましたか?

「そろそろ働きたいな」と思って検索する。でも、いざ応募ボタンの前まで来ると、指が止まる。ブランクがあるのに大丈夫かな、採血なんてもう何年もしてない、子どもが熱を出したらどうしよう……。気づけばアプリを閉じて、また今日も見送ってしまう。

その気持ち、痛いほどわかります。私自身、産休育休や退職後のブランクから現場に戻った看護師だからです。

この記事では、「復帰が怖い」あなたに、当事者としての本音と、もうひとつブランクさんを受け入れてきた元管理職としての本音の、両方をお話しします。転職サイトの記事にも、復帰した人の体験談にも、なかなか書かれていない「迎える側の気持ち」まで正直にお伝えしますね。

【先に結論】怖いのは、あなたが真剣な証拠です

時間がない方のために、この記事で伝えたいことを先にまとめますね。

  • 復帰が怖いのは、患者さんを大切に思っている真剣さの裏返し。ダメな感情じゃありません
  • 現場は、ブランクのある看護師さんを歓迎しています。これは元管理職としての正直な本音です
  • 基本の看護が身についているあなたは、実は「新人さんより戦力になるのが早い」
  • ただし、職場選びだけは長期目線で。ここを焦らないことが、長く働き続けるいちばんのコツ

「怖い=向いていない」ではありません。むしろ逆。ここから、その理由をひとつずつお話ししていきますね。

【怖いのはあなただけじゃない】潜在看護師は約70万人

まず知ってほしいのは、「戻りたいけど戻れずにいる看護師」は、あなただけじゃないということ。

厚生労働省の研究による2018年末の推計では、資格を持ちながら働いていない「潜在看護師」は、65歳未満だけでおよそ70万人(65歳以上も含めると約79万人)とされています。有資格者のおよそ3人に1人。かなりの人数ですよね。

結婚、出産、育児、家族の事情。いろんな理由で現場を離れ、「そろそろ」と思いながらも一歩が出せずにいる。そんな人が、日本中にたくさんいるんです。あなたが感じている怖さは、決してあなただけのものじゃありません。

じゃあ、みんなは何が怖いんでしょう? 厚生労働省の「看護職員就業状況等実態調査」(2011年公表)で、復職を考えている看護師さんに再就職の不安を聞いたところ、一番多かったのは「最新の看護の知識・技術についていけるか」で33.4%、僅差の2位が「家事・子育てと両立できるか」で32.6%でした。

少し前の調査なので数字は目安ですが、あなたの不安と同じではありませんか?復職を考える人のおよそ3人に1人が、同じところで足を止めているんです。

しかも同じ調査で、「技術についていけるか」の不安はブランクが長い人ほど大きくなることもわかっています。離職1年未満では21.3%なのに、5〜10年で47.1%、15年を超えると66.7%。つまり、長く離れているほど怖くなるのは、ごく当たり前の反応。

そしてもうひとつ、安心してほしい数字も。日本看護協会 中央ナースセンターの分析(2023年度データ)では、看護職の求人は17万人台で推移していて、求職している人(7万人台)よりずっと多いんです。

つまり、戻る場所はちゃんとある。焦って選ばなくていい、ということでもありますよ。「戻りたい」という気持ちを持ち続けているだけで、実はもう十分すごいこと。辞めたい・辞められないの狭間でもがいた経験のある方は、辞めたいけど辞められない看護師さんへの記事ものぞいてみてくださいね。

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正直に言うと、私も怖かった

偉そうに書いていますが、私も復帰前は本当に怖かったんです。

一番不安だったのは、基本の技術。採血、投薬、血圧測定——毎日あたりまえにやっていたはずのことが、1年離れただけで「あれ、私、ちゃんとできるんだっけ?」と急に自信がなくなって。手が覚えているのか、それとも忘れてしまったのか、確かめるのが怖かったんですよね。

そしてもうひとつ、大きかったのが生活面。朝、子どもを送り出すまでのバタバタ。帰ってきてからの家事。仕事と育児、この両方を本当に回していけるのか。技術の不安と暮らしの不安、その二つが夜になるとぐるぐる頭を回っていました。

だから、いま怖くて足がすくんでいるあなたの気持ち、私はよく分かります。その怖さは「逃げ」でも「甘え」でもありません。ちゃんと向き合おうとしているからこそ、出てくる感情なんです。

迎える側の本音|実は、すごく嬉しいんです

ここからは、視点を変えて。私は産休育休復帰後に管理職も経験し、ブランクのある看護師さんを受け入れる側にもなりました。その立場から、あまり語られない本音をお話ししますね。

結論から言うとブランクのある方が来てくれるのは、迎える側にとって、すごく嬉しいことなんです。

ブランクがあるといっても、基礎的な経験はちゃんと積んでこられた方たち。そして子育て中で、金銭的にも「働きたい」という強い思いがある。だからこそ、一生懸命さが違うんですよね。その姿勢は、現場にとって本当にありがたいものでした。

教育体制は、思っているよりちゃんとしています

「ブランクがあると、放り込まれて終わりなんじゃ……」と心配されるかもしれません。でも、私が以前働いていた総合病院には、中途採用のブランク看護師さん向けの教育マニュアルがちゃんとありました。

入職前に面接をして、経験年数やそれまでのキャリアに応じて対応を変えます。完全な新人さんではないので、これまでの経験は尊重する。そのうえで、フォロー体制は個人差に配慮しながら組んでいく。むしろ新人さんより、一人ひとりに合わせた丁寧さが必要な部分なんです。

ちなみに現場あるあるなのですが、気をつかいすぎて簡単な作業ばかりお願いしてしまうと、逆効果なこともあって。「これくらい一人でできるのにな」と、かえって働きづらくなってしまう。だからこそ面接でしっかり話して、その人に合った任せ方を探るのが大事なんですよね。

だから、新人さんより戦力になるのが早い

復帰する方の一番の不安って、実は技術そのものより「その現場のやり方に慣れられるか」「育児と両立できるか」だったりします。

でも、ここは安心してほしいところ。基本の看護は、ちゃんと身についているんです。だから面接でしっかりコミュニケーションを取って、現場が丁寧にフォローすれば正直なところ、新人さんより戦力になるのが早い。これは受け入れる側として、何度も実感してきたことです。

つまずくポイントと、意外と大丈夫なこと

とはいえ、いいことばかり書いても嘘っぽいですよね。正直に、つまずきやすいポイントもお伝えします。

つまずきやすいのは「重症度」への不安

総合病院は、重症度や治療のレベルが高い場所です。だから「この患者さんを、私がちゃんと看られるんだろうか」という不安が、一番大きくなりやすい。

実際、回復期の病棟から総合病院に復帰した方が、重症の患者さんへの先行きの不安で、途中で退職されたこともありました。これは正直にお伝えしておきますね。技術より、この「レベルのギャップ」のほうが、実は大きな壁になることがあるんです。

意外と大丈夫なのは「基礎技術」

逆に、あんなに怖かった採血などの基礎技術は、意外と大丈夫。回数を重ねれば平気になっていく人が、ほとんどでした。

体で覚えたことって、少し離れても、手を動かしているうちに戻ってくるんですよね。最初の数回はドキドキするかもしれないけれど、そこは時間が解決してくれる部分。もし復帰後に採血の苦手意識が出てきたら、採血が苦手で落ち込む看護師さんへの記事も、そっと支えになれたら嬉しいです。

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ちなみに「復帰前に何を勉強しておけば?」とよく聞かれますが、正直に言うと、特別なことは必要ありません。強いて言うなら、職場が決まっているなら、その科の疾患や看護を少し見直しておくくらいで十分。あれもこれもと詰め込まなくて大丈夫ですよ。

復帰先選びは「長期目線」で選んでほしい

ここが、この記事で一番お伝えしたいところです。技術より、教育体制より、大事なこと。それが「職場選び」です。

育児との両立は、本当に、本当に大変です。だから、給料やキャリアのために「前よりも業務量や重症度の高い病院」を選ぶのは、ちょっと立ち止まって考えてほしい。急性期を選ぶ子育て看護師さんの多くは、両立とキャリア形成の両方を目指していました。でも多忙と残業続きで「ここでは働けない」と辞めていく人が、本当に多かったんです。

子育ては、予想外の連続。急な発熱、行事、夜のぐずり……。家族の理解と協力も欠かせません。夜勤や休日出勤があるなら、その間、子どものお世話を誰かにお願いする必要も出てきます。

ここで一つ、たとえ話をさせてくださいね。職場選びって、洋服より「靴選び」に近いなと思うんです。見た目が素敵でも、サイズが合わない靴では、長く歩けない。少しくらい地味でも、自分の足に合った靴なら、遠くまで歩いていける。復帰先も同じで、大事なのは「長期目線で、履き続けられるか」なんです。

子どもの成長とともに、手は少しずつ離れていきます。最初は時短や夜勤免除で働けていても、次第に上司から「お願いされる側」になっていく可能性も。それを受け入れられるのか、それとも最初から夜勤のない職場を選ぶのか。少し先の人生をイメージしてから選ぶと、後悔が少なくなります。

だからといって、夢を諦めてほしいわけでもありません。子育ては一生続くわけではないので、目指したい看護師像やキャリアの夢があるなら、それを叶えられる職場を探すのもぜんぜんアリ。大事なのは「いま、何を優先するか」を、自分で選ぶことなんです。

就職したすぐに、現実が思ったより厳しくて退職願を出す、これは精神的に本当にしんどいことです。だからこそ、焦らず、よく考えて答えを出してほしいなと思います。

復帰先の具体的な選択肢が気になる方は、クリニックと訪問看護どっちが向いてる?や、わたしがクリニックに移って何が変わったかをつづったクリニック転職で変わった3つのことも参考にしてみてくださいね。「無理をしない職場選び」のリアルな一例です。

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【まとめ】怖くていい。あとは、合う職場を選ぶだけ

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。最後に、大切なところを表にまとめますね。

怖いのは、あなたが真剣な証拠。現場は、あなたのようなブランクさんを歓迎しています。あとは、自分の暮らしに合った靴——長く履ける職場を、焦らず選ぶだけ。

「まだ応募する勇気は出ないけど、情報だけでも集めておきたいな」という方は、

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求人サイトを閉じてしまう夜が続いても、大丈夫。その「戻りたい」という気持ちがある限り、あなたはちゃんと前を向いています。準備が整ったそのとき、扉はいつでも開きますよ。応援しています。

出典・参考データ

・厚生労働科学研究「看護職員需給推計への影響要因とエビデンスの検証についての研究」(2020年):潜在看護職員数の推計(2018年末・65歳未満約69.5万人)
https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/download_pdf/2020/202022038A.pdf
・厚生労働省「看護職員就業状況等実態調査」(2011年公表):再就職時の不安(最新の知識・技術33.4%、家事・子育てとの両立32.6% ほか)
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000017cjh.html
・日本看護協会 中央ナースセンター「2024年度 ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人・就職に関する分析報告書」(2023年度データ)
https://www.nurse-center.net/nccs/scontents/NCCS/html/pdf/2024/202_1.pdf