「転職してもまた辞めたくなったらどうしよう」
そんな不安を抱えている看護師さんに先に結論からお伝えすると、後悔しない職場選びのカギは「自分の譲れない条件を、最後まで妥協しないこと」。
私自身、看護師歴20年の中でようやく一度だけ転職を経験しました。今回は、急性期病棟+管理職からクリニック+訪問看護という今の働き方にたどり着くまでの話と、職場選びで「これだけは妥協しなかった」ポイントをお伝えします。
なぜ、あんなに無理をしてまで働き続けていたのか

新人の頃、多くの先輩ママ看護師さんが、役職と通常業務をこなしながら子育てをして、休日出勤も当たり前という姿を間近で見てきました。「看護師として働きながら子育てするというのはこういうものだ」「私を育ててくれたこの病院に迷惑はかけられない」。そんな思いから、気付かぬうちに家庭より仕事を優先する働き方が、いつしか私の中で「普通」になっていました。
結婚・育児をする中で、しわ寄せは夫や子どもにいっていたはずです。それでも「私がいないと仕事が回らない」「これだけの引き継ぎを他の人に任せるのは申し訳ない」という気持ちが強く、なかなか退職を決断できませんでした。
そんな私の背中を押してくれたのは、夫のひと言でした。
「そんな働き方はおかしい。辞めた方がいいんじゃない?」
毎日、仕事に取り憑かれたように窮屈そうにしている私を見て、かけてくれた言葉です。この一言がきっかけで、ようやく退職を前向きに考え始めました。
職場選びで「絶対に譲らなかった」6つの条件
転職活動を始めるにあたって、私が譲らなかった条件はこちらです。
- 時間の融通がきくこと(子どもの帰宅時間に合わせて勤務時間を変えられる)
- 土日祝日休み
- 通勤は自転車圏内
- 夜勤・待機がないこと
- 時給はできるだけ高いこと
- 週3〜4日勤務
「こんなに贅沢かな」と思う項目もあるかもしれません。でも、この条件をリストにして最初から明確にしていたことが、後悔しない転職につながったと感じています。
転職サイト経由で感じた「これはナシやな」の現実
転職サイトを使う中で、いわゆる「釣り案件」に引っかかったこともありました。狙っていた施設はすでに募集が終了していて、全く条件の違う職場を紹介されたのです。
さらに悩まされたのが、自宅近くには条件に合う求人がなく、紹介される候補がだんだん「隣の駅」「その次の駅」と遠のいていったこと。通勤時間が延びれば、その分働ける時間は削られますし、残業でも入ろうものならまた時間に縛られる働き方に逆戻りです。「時間の融通」を一番の条件にしていた私にとって、これはどうしても譲れない部分でした。
実際に体験した転職サイトの感想や比較は、こちらの記事にまとめています。

転機になった、知人からの紹介話

転職サイトを一通り使いこなし、正直少し路頭に迷い始めていた、退職から1年ほど経った頃。以前の職場の知人から、声をかけてもらいました。
その人は私の家庭の事情も、退職した理由もよく理解してくれている人。だからこそ最初に話を聞いたとき、「この条件を飲んでくれるなら、働かせてもらおうかな」と思えました。
とはいえ、知人からの紹介だからと言って、条件確認をなあなあにはしませんでした。知人を通じて職場側にもある程度の希望は伝わっていたと思いますが、最終的にはきちんと面接の場で、自分の条件と照らし合わせて確認した上で入職を決めています。
知人紹介という選択肢のメリットと注意点
転職サイトだけが選択肢ではない、というのも今振り返って伝えたいことのひとつです。
知人からの紹介の一番のメリットは、自分のことをよく理解してくれた上での話なので、信頼性が高いこと。相手も顔見知りを、いわゆる「ブラックな案件」に無理に誘うようなことはしません。
一方で注意点もあります。お互いに顔が見える関係だからこそ、断りにくい・辞めにくいという面があること。相手が先輩や元上司であれば、なおさらです(笑)。期待されて声をかけてもらっている分、その期待に応える働き方が求められる、という覚悟も必要だと思います。
実際に選んだ職場、「想像通り」だったことと「意外」だったこと
最終的に今の職場を選んだ一番の理由は、6つの条件をほぼクリアしていたことです。パート勤務なので残業や持ち帰り仕事もなく、休日の呼び出しもありません。
一方で意外だったのは、「クリニックは忙しい」ということ。施設にもよりますが、私の勤務先は内視鏡や日帰り手術、在宅医療など幅広く対応しているため、覚えることは想像以上に多かったです。
新しい職場への順応は未経験、ブランク期間によっても差が出てきます。条件以外にも「経験したことのない分野に挑戦してみたい」「これまでと似たような安定した環境で働きたい」など、看護師としてのキャリア形成について考える機会にするのも良いかもしれません。
これから転職を考えるあなたへ伝えたいこと

転職活動をしていると、理想の条件に合う案件がなかなか見つからず、少しずつ条件から外れた案件を勧められることがあります。時間が経つにつれ「早く働きたいし、理想通りの職場を見つけるなんて贅沢かも」と、つい妥協したくなる気持ちが出てくるものです。
でも、少し立ち止まって思い出してほしいのです。前の職場を退職するとき、どれほど大変な思いをしたか。条件が合わないまま就職して、また早々に辞めることになったら、上司に退職を切り出す気力も、また一から職場を探す労力も、振り出しに戻ってしまいます。
だからこそ、自分で決めた条件は妥協しないこと。それが、私が一番伝えたいことです。転職サイトも、知人からの紹介も、それぞれに良さと注意点があります。どちらか一方に絞らず、視野を広く持って、自分に合った道を探してみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
