看護師の「子の看護等休暇」は取りやすい?小学生まで使える制度と現場の本音

子育て
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子どもが発熱した朝、職場へ休みの電話をかける。

ただそれだけのことなのに、電話番号を押す指がなかなか動かないことはありませんか?

  • 今日の受け持ちはどうなる?
  • 代わりに出勤できる人はいる?
  • また休むと思われないかな……

看護師はシフト制で働く人が多く、自分が休めば、その分を誰かが補わなければなりません。子どもの体調が心配なのに、頭の中では病棟の人員配置まで考えてしまいます。

そんなときに利用できる制度が「子の看護等休暇」です。2025年4月の法改正によって、対象となる子どもの年齢や取得できる理由が広がりました。

この記事では、子の看護等休暇の仕組みと世間の利用状況、看護師が実際に利用しやすい制度なのかを、看護師・管理者としての経験を交えてお伝えします。

※この記事は2026年9月時点の情報をもとに作成しています。勤務先によって独自の規定があるため、利用する際は就業規則や担当部署へご確認ください。

先に結論|子の看護等休暇は使える制度ですが、取りやすさには職場差があります

子の看護等休暇は、育児・介護休業法に定められた制度です。一定の条件を満たす労働者は、小学3年生修了までの子どもの病気やけが、予防接種、感染症に伴う学級閉鎖などの際に取得できます。

  • 子どもが1人なら1年度に5日、2人以上なら10日までです
  • 1日単位または時間単位で取得できます
  • 有給か無給かは勤務先の規定によって異なります
  • 制度の対象でも、実際の申し出やすさには職場差があります

制度の内容だけでなく、自分の職場でどのように運用されているのかを事前に確認しておくことが大切です。

子の看護等休暇とは?2025年4月から変わったポイント

以前は「子の看護休暇」という名称でしたが、2025年4月から取得できる場面が広がり、「子の看護等休暇」に変わりました。

対象は小学3年生修了までの子ども

対象となるのは、小学3年生修了までの子どもを養育する労働者です。2025年3月までは小学校就学前まででしたが、2025年4月から対象年齢が引き上げられました。

小学生になっても、子どもだけで病院へ行ったり、一人で長時間留守番したりするのは難しいものです。看護師ママにとって、この対象拡大は大きな変更ではないでしょうか。

なお、日々雇用される労働者は対象外です。また、労使協定がある場合は、週の所定労働日数が2日以下の労働者が対象外となることがあります。

病気やけが以外にも利用できます

子の看護等休暇は、次のような場合に利用できます。

  • 病気やけがをした子どもの世話
  • 子どもの予防接種や健康診断
  • 感染症に伴う学級閉鎖などへの対応
  • 入園式・卒園式・入学式への参列

学級閉鎖などの場合は、子ども本人が感染していなくても対象になります。一方、授業参観や運動会は、法律上の取得理由には含まれていません。

ただし、勤務先が法律を上回る独自制度を設けている場合もあるため、就業規則を確認してみてください。

日数は子ども1人なら5日、2人以上なら10日

取得できる日数は、対象となる子どもが1人なら1年度に5日、2人以上なら合計10日です。「子ども1人につき5日」ではない点に注意しましょう。

1年度の区切りは、勤務先が特に定めていなければ、原則として4月1日から翌年3月31日までです。また、1日単位だけでなく、時間単位でも取得できます。

  • 午前中に受診し、午後から出勤する
  • 学校からの呼び出しを受け、数時間早く帰る

このような使い方ができる点は、シフト勤務の看護師にとって助かる部分です。

有給になるとは限りません

子の看護等休暇は、年次有給休暇とは別の制度です。ただし、法律では休暇中の賃金支払いまで義務づけられていません。そのため、有給か無給かは勤務先の就業規則によって異なります

私が働いていた職場では、子の看護休暇は無給でした。私は利用した経験がありませんが、部下の中には、先に年次有給休暇を使い、有給がなくなったときや、インフルエンザなどで長く休む必要があるときに利用する人もいました。

無給でも欠勤扱いを避けるために使う、いわば「最後の手段」という位置づけでした。これは、あくまで私が勤務していた職場での運用です。全国共通で、子の看護等休暇より先に年次有給休暇を使わなければならないわけではありません。

  • 子の看護等休暇は有給か無給か
  • 年次有給休暇とどちらを先に使うのか
  • 時間単位で利用できるか
  • 申請に必要な書類はあるか

世間では子どものためにどのくらい休んでいる?

厚生労働省の委託調査では、小学3年生以下の子どもを育てる労働者に、2025年4月1日から9月30日までの半年間に取得した休暇の日数を尋ねています。

子どもの病気やけがを理由に取得した休暇の平均日数は、次のとおりでした。

雇用形態男性女性
正社員・正職員1.5日3.4日
正社員・正職員以外1.4日2.2日

女性の正社員・正職員では、半年間の平均が3.4日でした。

ただし、この数字は「子どもの病気やけがを理由に取得した休暇」の合計で、年次有給休暇なども含まれています。子の看護等休暇だけの取得日数ではなく、看護師だけを対象にした調査でもありません。

それでも、子どもが1人でも発熱や感染症、通院が重なれば、法定の5日では足りなくなる可能性があります。兄弟姉妹がいる家庭では、時間差で感染する「家庭内リレー」が始まることもありますよね。

看護師は子の看護等休暇を実際に取りやすい?

結論から言うと、制度があっても、実際の取りやすさは職場によって異なります。

看護師はシフト制で働く人が多く、急に一人休むと、受け持ちや業務分担を変更しなければなりません。代わりの人員をすぐに確保できない職場では、「同僚へ負担をかけてしまう」という申し訳なさも生まれます。

法律上は利用できる制度でも、病棟の人数が自動的に一人増えるわけではありません。これが、看護師ママが休みを申し出にくい理由の一つだと思います。

子どもの急な体調不良に備えて確認しておきたいこと

就業規則を確認する

勤務先の就業規則や育児・介護休業規程で、次の項目を確認しておきましょう。

  • 対象となる子どもの年齢
  • 取得できる日数
  • 有給か無給か
  • 時間単位で利用できるか
  • 申請方法と必要な書類
  • 法律を上回る独自制度があるか

緊急時の連絡先と申請方法を確認する

緊急時には口頭で申し出て、書面を後から提出する方法も可能とされています。ただし、実際の連絡先や院内手続きは勤務先によって異なります。

  • 急な休みが必要になった時どこの部署に伝えるのか、連絡先の確認
  • 後日どの書類を提出するのか

ここまで分かっていると、子どもが発熱した朝の負担を少し減らせます。

職場選びでは制度の利用実績まで確認する

求人票に「子育て支援あり」と書かれていても、実際の休みやすさまでは分かりません。職場見学や面接では、子育て中の看護師の在籍状況、急な欠勤時の調整方法、時間単位での取得実績などを確認すると、働く姿をイメージしやすくなります。

制度を利用するたびに責められる、相談しても取り合ってもらえないなど、働き続けることが難しい状態なら、異動や働き方の変更を検討してもよいと思います。

まとめ|休む側の罪悪感だけで乗り切る制度にしないために

子どもの病気は、看護師ママの努力だけでは防げません。子の看護等休暇を知り、必要なときに利用することは、決して甘えではありません。

一方、看護師の現場では、一人が急に休むことで人員配置や業務分担の変更が必要になるのも事実です。だからこそ、休む人へ罪悪感を背負わせるだけではなく、誰かが休んでも患者さんの安全を守れる人員体制と、負担を一人に集中させない仕組みが必要です。

あなたの職場では、子の看護等休暇を利用しやすい雰囲気がありますか?制度の存在だけでなく、実際の使われ方にも目を向けてみてください。

子育てと仕事の両立そのものに限界を感じている方は、過去の記事も参考にしてください。

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