「このまま今の働き方を続けていいのかな」
40代になると、そんなことを考える機会が増えませんか?
看護師としては経験を重ね、職場では中堅やベテランと呼ばれる年代です。一方、家庭では子育てが続き、自分の体力や将来も気になり始めます。
私は急性期病棟や管理職、クリニック、訪問看護を経験し、現在はパート看護師として働いています。
結論からお伝えすると、40代の働き方にひとつの正解はありません。
大切なのは「看護師としてどう働くべきか」だけでなく、これから自分がどう生きたいのかを基準に考えることです。
私が40代で働き方を見直した理由

働き方を見直した一番のきっかけは、子育てです。
当時は仕事が多忙で、残業や休日出勤も珍しくありませんでした。
「このまま人生の多くを仕事だけに注ぎたくない」
そんな思いが、少しずつ強くなっていきました。
育休から復帰し、子どもが保育園へ通っていた時期は、正直なところ記憶がほとんどありません(笑)。
仕事へ行き、子どもを迎えに行き、家事をして、翌日の準備をする。それだけで毎日が終わっていました。
ただ、子育てだけが理由ではありません。
もし子どもがいなかったとしても、私は管理職を辞めていたと思います。
管理職になると、患者さんと直接関わる時間より、職場の人間関係やスタッフの指導、病院運営に気を遣う時間が増えていきました。
それも病院を支える大切な仕事です。しかし私は、次第に「看護って何だろう」と分からなくなっていきました。
上司や先輩管理職から厳しい言葉を受けることもあり、自信は少しずつ削られていきました。
役職が上がることと、自分に合った働き方ができることは、別だったのです。
管理職で得られたものもあった
管理職時代は大変でしたが、失ったものばかりではありません。
夜勤をしなくても、夜勤をしていた頃と同じくらいの収入を得られました。
また、スタッフとの面談や日々の仕事を通じて、一人ひとりの悩みや成長を見ることもできました。多くの医療者と関わり、病院運営やマネジメントを学べたことも大きな経験です。
急性期や管理職を続け、さらにキャリアを積むことも立派な選択です。
ただし、その働き方が自分の望む生活と合っているかは、別に考える必要があります。
子育てと管理職の両立には、家族の理解が欠かせなかった

急性期や管理職として働きながら子育ても続けるには、本人の頑張りだけでは難しいと感じています。
私の実家は離れていたため、頼れるのは夫と義両親でした。
ただ、頼れる人がいることと、気兼ねなく頼めることは別です。
夫も会社員で出張が多く、平日はほとんどワンオペ状態。義両親にお願いできることもありましたが、頻繁に頼ることには遠慮がありました。
さらに、私と夫では育ってきた家庭環境も違いました。
私の両親は共働きで、仕事を中心に生活が回ることも珍しくありませんでした。一方、夫の家庭では、母親がパート勤務に近い働き方をしており、子どもの生活を優先する家庭だったようです。
どちらが正しいという話ではありません。
ただ、この違いは子育てが始まると少しずつ表に出てきました。
「子どものお迎えがギリギリになる」
「休日も仕事で家にいない」
そんな生活が続くうちに、夫の中にも不満がたまっていったのだと思います。
私も、仕事を休めない気持ちと、家族に申し訳ない気持ちの間で揺れていました。
その反面、私の周囲では、夫婦ともに医療従事者だったり、妻の収入が家計の中で大きな割合を占めていたりする家庭では、管理職を長く続けている人が多い印象がありました。
もちろん、家庭の事情はそれぞれなので、職業や収入だけで決まることではありません。
ただ、夫婦ともに医療従事者なら、不規則な勤務への理解を得やすかったのかもしれません。また、妻の収入が家計の大きな支えになっている家庭では、妻が働き続けることを前提に、夫婦で家事や子育てを調整していたのではないかと思います。
両立を考えるときに大切なのは、単に子どもを預かってくれる人がいるかではなく、
- 自分の仕事を家族がどう捉えているか
- 夫婦のどちらかだけが子育てを背負っていないか
- 困ったときに罪悪感なく相談できるか
という部分だと思います。
子育てと仕事の間で感じる悩みは、家庭の協力だけでなく、急な休みや勤務時間などにも広がります。私が実際に感じてきた悩みは、こちらの記事にもまとめています。

収入より時間を選んでも、諦めたとは思っていない

現在の働き方を選ぶとき、私が優先したのは収入より時間でした。
フルタイムからパートになったため、収入は減りました。それでも、何かを諦めたという感覚はありません。
フルタイムで働いていた頃の貯金や資産運用があり、家計を見直して無駄な支出も減らしました。そのため、今のところ、お金で大きく困る生活にはなっていません。
もちろん、誰でもすぐに勤務時間を減らせるわけではありません。
働き方を変える前には、
- 毎月いくらあれば生活できるか
- 減らせる支出はあるか
- パート勤務ではどの程度の収入になるか
- 教育費や老後資金をどう考えるか
を整理しておく必要があります。
私は収入を減らす代わりに、家族と話す時間、自分の将来を考える時間、新しいことを始める時間を得ました。
収入を優先する時期があってもよいですし、時間を優先する時期があってもよいと思います。
40代看護師が働き方を見直す4つの質問
働き方に迷っている方は、次のことを自分に問いかけてみてください。
1.仕事に追われ、将来を考えられなくなっていませんか?
何をしたいのか考える余裕さえないなら、それ自体が働き方を見直すサインかもしれません。
2.辞められない理由は、本当に自分の希望ですか?
「長く勤めたから」「管理職になったから」「周囲に迷惑をかけるから」という理由だけで、苦しい働き方を続けていないでしょうか。
3.家族と望む生活を共有できていますか?
仕事を続けることも、子育てを大切にすることも、どちらも間違いではありません。
だからこそ、夫婦がどのような生活を望んでいるのか、言葉にして確認する必要があります。
4.5年後、10年後も今の生活を続けたいですか?
子育ての状況も、自分の体力も今と同じではありません。
今の役職や収入だけでなく、これからどんな一日を過ごしたいのかを想像してみてください。
すぐに退職を決める必要はありません。
部署異動、勤務時間の短縮、夜勤回数の調整、パート勤務、別の職場への転職など、看護師にはさまざまな選択肢があります。
まずは求人やほかの働き方を調べ、自分にはどのような選択肢があるのかを知ることから始めてもよいと思います。
病棟以外の働き方を考えている方は、クリニックと訪問看護を実際に経験した立場から比較した記事も参考にしてください。

まとめ|40代は「どう働くか」より「どう生きたいか」

40代で働き方に迷うのは、自分の努力が足りないからではありません。
仕事で求められる役割と、家庭や人生で大切にしたいことが変化する時期だからこそ、迷いが生まれるのだと思います。
管理職を続けてもよい。現場へ戻っても、パートになってもよい。
大切なのは、世間が考える「看護師らしい働き方」ではなく、自分がこれから何をして、どう生きたいのかを基準にすることです。
40代は、まだこれからの働き方を選び直せる年代です。
今の生活に違和感があるなら、まずは自分が本当に大切にしたいものを考えてみてはいかがでしょうか。
